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健康コラム

2018年6月22日

Dr.松岡のなるほど!健康学

健康寿命は「個の医療・個の予防」

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現在、日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性は80.98歳で、男女とも80歳を越えています。しかしながら、自立した生活を送ることができる「健康寿命」はというと、男性72.14歳、女性74.79歳(WHO保健レポートより)となっていて、男女とも晩年の10年近くは、なんらかの病気を抱えて医療機関にかかるか、介護が必要な状態となっています。

 

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残念ながら2001より2010年まで平均寿命、健康寿命は延びたにもかかわらず健康でいられない年数、介護が必要な期間は減少していません。

 

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現在、85歳以上の人口はおよそ500万人。「国立社会保障・人口問題研究所」の予測によると、20年後の2035年には、85歳以上の世代が、その2倍の1015万人になるといわれています。介護や医療が必要とされる人口が、単純計算でも、いまの2倍に増えるというわけです。

 

ちなみに、60年前の日本の人口はおよそ6500万人。現在は1億2700万人ですから、単純計算で、医療費も2倍程度に高騰しているというのであれば順当でしょう。しかし、実際には2388億円から40兆円にまで増大しているのですから、まさに驚愕の数字です。
医療が高度になって進歩すればするほど、医療費もどんどん高騰していくのはやむをえない面もあるとはいえ、高騰しつづける医療費に歯止めをかけるためにも、なんらかの手を打たなくてはなりません。それにはまず、できるだけ医療にかからないための健康づくり、体づくりをしていくことが求められます。そのためにも、いまこそ個々人にあった「個の医療、個の予防」の分野を充実させ、健康寿命を延ばすことが急務になっていると考えるわけです。

 

健康上の男女の差について、もう少しお話しますね。

厚労省の「人口動態表・最新がん統計」によると、日本人の三大死因である「がん・心臓病・脳卒中」のうち、がんにかかるのは、30歳代後半から40歳代では女性が男性よりやや高いのですが、60歳代からは男性が女性より著しく高くなります(図)。

 

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また、がんで命をおとすケースは、男女とも、おおよそ60代から増加し、高齢になるほど増えますが、60代以降は男性が女性よりはるかに高くなっています。

 

いずれにしても、男性のほうが病気になってからでないと、自分の健康に気をつけるようにならないのは明らか。気づいたときには手遅れになってしまっているケースも、残念ながら見られます。

とは言え、絶望するには及びません。誰でも人生の中盤以降に一度は病気になるのはしかたがありません。病気になったらなったで、それをきっかけに、二度とならないように自分で生き方を変えていけばいいのです。反省点があれば改善し、そこからライフスタイルを変えていけば、いくらでも挽回ができ、向上していくことも不可能ではないのですから。

これこそが、私が常日頃、患者の皆さんたちに口を酸っぱくしてお伝えしている「リセット」ということです。



◆解説してくれた先生

松岡 留美子 先生

松岡 留美子 先生
■略歴
医学博士。日本人類遺伝学会 臨床遺伝指導医、臨床遺伝専門医
1972年横浜市立大学医学部卒業、1978年東京女子医科大学循環器小児科助手
1979年ウィスコンシン大学心臓病理科研究員、1981年ボストン小児病院
(ハーバード大学医学部小児科)循環器科分子細胞生物学部門研究員
2001年東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所講師 同大学循環器小児科講師
2004年同大学遺伝子医療センター講師
2005年同大学国際統合医科学インスティテュート特任教授
2006年同大学大学大学院先端生命医科学研究所特任教授
2008年東邦大学医学部客員教授
2010年若松河田クリニック院長

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