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健康コラム

2018年4月27日

Dr.松岡のなるほど!健康学

患者さんやその家族にとって最善の医療とは?

松岡瑠美子(まつおか るみこ) 先生
■略歴
医学博士。日本人類遺伝学会
臨床遺伝指導医、臨床遺伝専門医
1972年横浜市立大学医学部卒業
1978年東京女子医科大学循環器小児科助手
1979年ウィスコンシン大学心臓病理科研究員
1981年ボストン小児病院(ハーバード大学医学部小児科)
     循環器科分子細胞生物学部門研究員
2001年東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所講師、同大学循環器小児科講師
2004年同大学遺伝子医療センター講師
2005年同大学国際統合医科学インスティテュート特任教授
2006年同大学大学大学院先端生命医科学研究所特任教授
2008年東邦大学医学部客員教授
2010年若松河田クリニック院長

患者さんやその家族にとって最善の医療とは?

2013年、アメリカの女優さんが、「将来、乳がんになる確率87パーセント、卵巣がんになる確率50パーセント」との診断を受けて、何の症状もないのに両乳腺を切除する手術をしたことが話題になりました。更に2年後、血液検査から卵巣がんにつながる異常がわかり、卵巣と卵管の摘出手術を受けたことが報道されました。

 

日本ではそのニュースに、ずいぶん驚かれた方も多いようですが、このようなことは30年以上前、私の留学当時から、アメリカでは既に先端医療として、希望があれば普通におこなわれていました。
これは「トライアルの医療」だといってもいいでしょう。

 

しかしこの「トライアルの医療」、患者さんやその家族にとって最善の医療だといえるでしょうか?
アメリカ流の先端医療のあり方に疑問を感じた私は、帰国後、ほんとうに患者さんのためを考えた医療とは何だろうということを常に頭に置きながら、大学に戻り、遺伝子解析の研究と並行して、遺伝子の異常や欠損による先天性の難病をもつ子どもさんの治療や、その家族のカウンセリングを始めました。
そこでは、遺伝子解析の結果を用いてカウンセリングをしながら患者さんにフィードバックするといったようなことを行っていました。患者さんやその家族の方々とは、「健康を守る友の会」を独自に作り、現在、70以上の家族が登録され、お互いに一生のお付き合いになるような信頼関係を築くことができて、いまに至るも私の大切な財産になっています。

 

子どもの頃、寝る前に母がいろいろな本を読み聞かせてくれたのですが、その中の一つがシュバイツァーでした。裕福な家庭に生まれた彼でしたが、「世の中にはとても貧しい人がいる、自分は何もわかっていなかった」と気づいた瞬間のくだりを聞いて、まだ5歳くらいながらとても感銘を受け涙したことを記憶しています。それがきっかけで医学の道を志したわけですが、医師となって、すでに45年あまり。私の頭のなかには、常に「どうしたら患者さんの健康上の悩みを解決できるだろうか」ということがあり、できることなら、日本中、すべての人々を、可能な限りサポートをできる内容を提案していきたい――そんな思いで毎日、患者さんと接しています。

 

私の夢は、日本において、いつまでも元気で働けるからだを支える、予防医療の確立、定着、発展です。

 

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