1. TOP
  2. 健康コラム
  3. > 2015年春号コラム

健康コラム

2015年3月20日

健康プラザパル ~茅場町研究室より~

腸内バランスは免疫やアレルギーにも大切


 今回、本当は機能性表示についての規制緩和のお話しをする予定でした。

 しかしながら消費者庁から昨年11月末に予定されていた機能性表示に関するガイドラインの発表が遅れています(本カタログが皆さまのもとへ届く頃には発表があるかも知れません)。

 そのため、今回は腸内バランスのお話しをさせて頂きます。

 腸内バランスを整えることが大切なことは、様々なメディアでも取り上げられていますので、皆さまも既にご存知のことと思います。特に女性の方は、美肌にも大切だということは十分認識されていると思います。

 今回は腸内バランスが免疫機能やアレルギーに影響があることについて紹介していきます。

腸内フローラ

 私たちの腸内には、善玉菌や日和見菌、そして悪玉菌など様々な細菌が100兆個以上潜んでいます。それぞれの菌は種類ごとに集団で領域を確保しているため、その様子はお花畑をもじって腸内フローラと呼ばれています。それぞれの種類の菌が腸内で陣取り合戦を行っているのです。

 そして、腸内バランスとは、善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌のバランスのことを言い、食生活の乱れやストレス、加齢により悪玉菌が増えることでバランスが悪くなると言われています。

 このように腸内フローラは食事や生活習慣によりバランスが大きく左右され、バランスが乱れる(悪玉菌優位)と生活習慣病や肌荒れ、アレルギーなどに関与すると考えられています。このことは、様々な研究機関の分析により明らかにされつつあります。

 そもそも大腸には、食べ物と一緒に様々な細菌が侵入してきます。そのため、いつも細菌などの有害物質がカラダに侵入してくる危険があります。ビフィズス菌などの善玉菌は、免疫機能の向上や細菌の増殖を抑えるなど、大切な役割を担っているため、善玉菌が多くなるような食生活を心掛けることが大切です。


 昨年の7月、独立行政法人理化学研究所(以降、理研)は、バランスのとれた腸内フローラ(善玉菌優位)が効果的な腸管免疫系を形成すると発表しました。

 この発表によれば、バランスのとれた腸内環境では、免疫が過剰活性することを制御する、制御系T細胞の増加と、アレルギー源である抗原を攻撃してくれるIgA抗体を多く産生すると言われています。また、逆に制御系T細胞がIgA抗体産生を介してバランスのある腸内フローラを構築する好循環を生み出すと結論づけています。

 さらに過去の理研の研究において、腸内バランスが乱れることにより、全身の免疫系を過剰に活性化して自己免疫疾患などの炎症を悪化させることを見出しています。

 以上のことから、免疫系を整えるためには腸内バランスを整えることが重要なようです。

 よく『免疫力を高める』などの宣伝がありますが、免疫を過剰に高めると自己を攻撃する自己免疫疾患を悪化させますし、一方、免疫が低下すれば様々な疾病の危険にさらされます。要はバランスが肝心なのです。

 また、理研の研究発表によれば腸内バランスを整えるとIgA抗体が増加するので、花粉症やアレルギー体質の方にとっても、その原因を取り除いてくれるIgA抗体が増加することは喜ばしいニュースです。

 冬を越して春を迎えるこの季節、腸内バランスを崩す人が多くなります。冬は寒さや乾燥で風邪や様々な病気に罹りやすく、どうしても薬や抗生物質を摂取する機会が増えてしまいます。

 筑波大学と科学技術振興機構の研究によれば、抗生物質を摂取することにより、腸内の乳酸菌などの善玉菌が減少し、結果、悪玉菌が増殖するとしています。要は腸内のバランスの悪化です。

 そのため、春を迎える季節は腸内バランスが悪化し、理研の研究を組み合わせて考えれば、花粉などの抗原を取り除いてくれるIgA抗体が減少し、花粉症の方にとってはつらい季節になるのではないでしょうか?

 さて、それでは腸内バランスをどのように整えれば良いのでしょうか?

 ひとつは腸内環境を整える善玉菌として知られるビフィズス菌や、善玉菌の餌である食物繊維や、高分子多糖体(βグルカン)を摂取することがあります。

 食物繊維や高分子多糖体は、胃で消化されず小腸や大腸まで届き残りカスになります。これが善玉菌の餌になるのです。そのため青汁やキノコ類を摂取することは理屈に適っているのです。

 一方、悪玉菌は肉類などが大好きです。肉類を過剰に摂取すると胃腸で十分消化されず、腐敗物になり悪玉菌の勢力が拡大してしまいます。ただ、肉類などのタンパク質は筋肉・皮膚・骨・赤血球など私たちのからだをつくる栄養素でもあるため、控え過ぎも問題です。従って、肉類などを取るときには、それに応じて十分な食物繊維や高分子多糖体を取ることをお勧めします。

 それから、ストレスを溜めないことも大切です。ストレスは自律神経に影響を及ぼし、胃酸の分泌を少なくします。その結果、胃で消化されるはずのタンパク質が十分に消化されず、未消化のタンパク質が腸内まで届いてしまいます。

 「食」という字は、「人」を「良」くすると書きます。バランスのある食生活を心掛けましょう!

一覧へ戻る

ページの先頭へ戻る